修猷館が東福岡を撃破
このページでは、日本ラグビーにおける平成の大波乱と言われた一戦を紹介致します。この試合に勝利したチームは”文武両道”を証明してくれた努力の天才が集まるチームです。
過信
2014年5月25日にラグビー界に衝撃のニュースが入りました。
春の九州大会県予選で修猷館高校が絶対王者東福岡を撃破したのです。
平成の大波乱として語り継がれるでしょう。
東福岡と言えば、全国大会に14年連続24回出場を果たし、4度の優勝を成し遂げている日本ラグビーの超エリート校です。
一方、修猷館は全国大会への出場実績はあるもののここ数十年は、東福岡・筑紫高校等の厚い壁を越えられず毎年、ベスト4.8で敗退しております。
そんな、修猷館が東福岡を撃破したのです。
これは、本当にすごい事です。スタメンを出していなかったなんて言い訳は通りません。
「スタメンを最初から出していたら絶対に勝っていた」と言えるような試合内容ではありませんでした。
パスも遅く、ラインも浅く、スピードもない。そんな、アタックに振り回されることなく、低いタックルをズバズバ決める修猷館。
なるべくしてなった結果かもしれません。正に、王者の慢心が過信になるとはこの事でしょうか。
「たまにはそんな事もあるだろ!」とお考えの方がいたら、「ちょっと待ったー!」と声を大にして言いたいです。
「一体この勝利が何故そんなにすごいのか」という所を管理人の自論で長々と説明させて頂きます。
文武両道
高校生活において、必ず言われるのが文武両道です。
強豪東福岡も、まさに文武両道であり大学進学率は95%と福岡県内でも一目置かれる学校であります。
一方、修猷館高校は、秀才が集まる高校です。偏差値は72と福岡県第2位。
文武両道とは、個人が学業:五割、ラグビー:五割の力を注ぎ、日々精進していきなさいという事なのか、それとも、ラグビー部はスポーツを一般生は学業を
頑張りなさいという事なのでしょうか。
恐らく、前者の考えであると思われますが、恐らく、東福岡はほぼ10割をラグビーに注いでいるでしょう。
まず、東福岡に入部するラガーマンの多くは小・中学校からラグビーをしており、推薦・特待生での入部が大半を占めております。
ラグビーが大好きで、ラグビーバカで、花園に出場したい一心で東福岡を選んでいるのです。
もちろん、一般で入部してくるラグビーの初心者もおりますが花園へ出場するため全国各地から集まる高校です。
なので、数学の問題が解けなくとも入学出来る選手が多いのです。
しかも、全国に名前の知れ渡る強豪校ですから大学からはどんどんお声が掛かります。
@「○○君が欲しい」
A「このポジションで誰か欲しい」
B「東福岡の選手なら誰でも良い」
つまり、きつい練習に耐えラグビーを3年間楽しむ事が出来れば自ずと大学進学への道は開かれるのです。
一方、修猷館高校においては、多少はスポーツ推薦での入学生を採ってるようですが、多くはありません。
しかも、中学高の内申点など推薦であれども、それなりに厳しい審査があります。偏差値60以上は必要でしょう。
皆、必死に勉強をして修猷館高校に入学しています。彼らの偏差値であれば、東福岡は簡単に受かります。
つまり、花園へ一番近いと言われる切符をつかむ事が出来るのです。
それなのに、東福岡を選ばないという事は、何故でしょうか?
@修猷館を強くして花園へ出場する
A修猷館に入学すれば、有名大学の道は開ける
B東福岡で試合に出れない。
考えられるのは、上記の3つくらいでしょうか。どれが正解というのは、選手ではないので分かりませんが。。。
想像にお任せします。
ご参考に・・・
修猷館高校を卒業し現在は、鰍eXトレード ファイナンシャルの
鶴 泰治社長は、あるインタビューでこのように答えております。
「ここを経ないと、良い大学には入学出来ない」
因みに鶴社長もラグビー部出身です。
どちらかと言うと、ラグビーで大学に行くのではなく勉強して難関大学にいく修猷館の生徒は本当の意味で文武両道でなければいけません。
ノーサイドの笛とともに、学業でもラグビーでも東福岡を越えた修猷館ラグビー部は、文武両道の模範なるべき学校でしょう。
同じ失敗はしない!
第94回全国高校ラグビーの県大会決勝が11月22日に行われました。春の大会での結果もあり、ラグビーファンが楽しみにしていた試合です。
春とは違い前半からレギュラーで望んでの試合結果は59-0で東福岡が快勝と春の大会のリベンジ成功となりました。
前半開始早々から、東福岡が2トライを決め、その後も東福岡ペースで前半は24点で折り返し、終わってみれば完封勝利!
王者の貫禄を見せてくれました。おめでとうございます。
試合内容はと言いますと、後半は修猷館の気持ちがキレてたのであまり面白くなかったです。
逆に前半は面白い試合でした。まず、前半最初のセットスクラムは修猷館ボールでしたが、サインはセンターの縦クロスでした。
非常に良い気持ちが入ったスピードで縦をついてきましたが、それ以上に東福岡のディフェンスが上手でした。ボールをゲットし、外に回してまず1本。
その後もすぐに、ラックサイドをスクラムハーフが抜け2本。
その後は、東福岡陣地での攻防になります。自陣でもキックを蹴らない東福岡とここでゲットすればチャンスになる修猷館。粘りつよいディフェンスが続きます。
10分くらい粘り、ようやく修猷館陣地に攻め込んだ東福岡ペナルティーゴールを狙い3点追加し17点のリード
その後、修猷館もゴール前5mまで攻め込みますが粘り強いディフェンスの前にトライまでは持っていけません。
そして、ゴール前10mくらいでしょうか。素早いボールへの絡みから修猷館ボールをゲットしそこから外に回し3本目のトライ!24点目、ここで前半終了!!
7割くらいは修猷館がボールを確保していました。
そして東福岡は、4回しか敵陣に侵入していないのに4回とも得点につなげております。
「勝ち方を知っている」とは東福岡のようなチームを言うのでしょうか。
全体を通して感じた事は、東福岡のディフェンスが非常に機能していました。
アタックで言えば、個々の力の違いはありますが修猷館も素晴らしかったです。
ただ、それ以上に東福岡のディフェンスが良かったです。
アタックとは違い、チームで機能させるのが難しいディフェンスですが、春とは全然違う素晴らしいディフェンスを見せてくれました。
花園でも、このディフェンスで完封勝利期待しています!