監督がベンチにいない理由
テレビでも良く見かけると思いますが、監督は常に観客スタンドにいます。代表監督ともなれば、ボックスから観戦します。
ベンチにはいません。
何故でしょう。
単純に上から見ると見やすいからです。
サッカーみたいに、ベンチから「もっと上がれ!」だとか「プレッシャーに行け!」だとか直接選手に指示を出す事はありません。
じゃあ試合中の支持は全てキャプテンがするのでしょうか?そう。キャプテンシーが試されるのです。試合は全てキャプテンに委ねられます。
って事はありません。
監督はマイクを付けてます。そしてマイクから指示を出します。指示を出す先は、ペットボトルを沢山持ったウォーターボーイやグランド横で選手達の怪我を手当てするメディカルトレーナーです。
ウォーターボーイかよっ。
とお思いになるかも知れませんがこのウォーターボーイは補欠なんかではありません。通常は、コーチや、主力のメンバーの怪我人が行い監督の指示(言いたい事)を伝えるのです。
ただ、「あーしろ、こーしろ!」と細かい指示出すことはほとんどありません。基本的には選手に任せています。ラグビーにおいて、「選手に考えさせる!」のはコーチングの観点からも重要視されています。
また、指示を出されてもグランドの上で試合をしているのは選手たちです。全てに従う必要はありません。
出典:http://number.bunshun.jp/articles/-/824350
有名な話だと、2015年ワールドカップでの日本対南アフリカの名勝負!試合終了間際の南アフリカペナルティーの際、エディー監督は「ショット!」とペナルティーゴールを支持しました。
しかし、キャプテン マイケルリーチは「トライを取りに行く」と監督の指示に従わず、プレーを続行した結果 逆転という歴史的勝利を生みました。全世界のラグビーファンを震撼させたラスト1プレーをご覧ください。↓
監督が、うるさく・細かく指示を出すのは「練習中だけで十分」という時もあるようですね。2019年ワールドカップでは、ウォーターボーイを担当したの徳永祥尭選手の冷静な情報伝達がベスト8へ大きく貢献したと言われております。
優勝候補のアイルランド代表に勝利し、世界に衝撃を与えた日本代表。フランカー #徳永祥尭 選手(27=#東芝)は2試合連続でウォーターボーイを務め、グラウンドを駆け回りました。「ONE TEAM」を体現し、勝利に貢献しました。 #RWC静岡 #BRAVEを届けよう #rugbyjp #RWC2019 pic.twitter.com/lT2qdArVam
— 日刊スポーツ・ラグビー担当 (@nikkan_rugby) September 29, 2019
キャプテンのリーチ・マイケル選手も山中選手も「彼がウォーターボーイで良かった」とコメントしています。監督の指示を伝えるだけとはいえ、レベルが高いカテゴリーでの試合では、相当のユーティリティーな知識が求められます。
徳永選手のポジションはフォワード(1番〜8番)ですが、監督やコーチの指示はバックス(9番〜15番)に対しての指示も出るのです。監督が言っている事(本質)を理解しないで、言った事をそのまま伝えただけでは、「何言ってんだよ?」とか「言われなくても分かってるよ!」となりかねないのです。
決して、タダのメッセンジャーではありません。伝える事と伝えなくていい事を冷静に判断し、ピッチに立っている15人とコミュニケーションをとる大事な仕事なのです。
マニアックなルールを確認したい方は↓